PC用CPUのシェア記事を読むと、AMDが伸びたなら今すぐどのCPUを選ぶべきか、と結論を急ぎたくなります。Q2 2026の数字は、製品の性能順位ではなく、メーカーから流通へ出たx86 CPUの比率を示す市場調査です。本記事では、Mercury Researchの推計を報じたTom’s Hardwareと両社の公式提出書類を分けて読み、部品選びに使える範囲を整理します。
Q2 2026のx86 CPU出荷シェア
Tom’s Hardwareが伝えたMercury Researchの推計では、IoTやSoCを除くx86全体でAMDの出荷台数シェアは30.7%、クライアントCPUでは30.3%でした。デスクトップは34.9%、モバイルは28.9%、サーバーは34.5%とされ、いずれも前四半期からAMD側が上がった形です。Intelは各区分で台数首位を維持しています。
ここでの「シェア」は、AMDとIntelのx86 CPU出荷台数を比べた推計です。店頭で実際に売れたCPUの割合、稼働中PCの台数、売上高や利益の比率とは一致しません。AppleやQualcommなどのArm系PC用チップも、このx86の比較の分母には入りません。30%という数値を「世界中のPC CPUの30%」と読み替えないことが出発点になります。
デスクトップ市場とシェアの関係
同じ調査では、デスクトップx86 CPUの出荷が前年同期比で20%超減少したと説明されています。その中でAMDのデスクトップ比率が上がったのは、AMDの出荷が大幅に増えたことだけを意味しません。両社の台数が減る局面でも、片方の減少幅が小さければ比率は上がります。
AMDのデスクトップ比率は前四半期の33.2%から34.9%へ、Intelは66.8%から65.1%へ動いたとされます。高価なGPU、メモリ、マザーボードを含むPC一式の費用が判断を左右する局面では、CPUだけの値引きや新製品だけで需要を説明できません。市場の合計台数とメーカー間の比率を、同じ意味の数字として扱わないよう注意してください。
公式決算で確認できる背景
AMDのQ2 2026 Form 10-Qは、クライアントCPUの出荷量が前年同期比34%増、平均販売価格が6%低下したと記載しています。AMDは出荷量増の主因をRyzenモバイルとし、デスクトップRyzenの販売構成が低下したこともASP低下の要因に挙げました。これはMercuryの推計でモバイルが伸びた方向性と整合しますが、AMDの自社出荷量と市場シェアは別の指標です。
IntelのQ2 2026 Form 10-Qでは、ノートとデスクトップを合わせたクライアント売上が前年同期比で増えた一方、数量は8%減、ASPは27%増とされています。供給制約と高価格帯製品の構成が、売上と台数を異なる方向へ動かし得ることが分かります。決算の売上額だけでCPUの販売量や市場比率を決めることもできません。
自作PCの購入判断への使い方
市場シェアは、プラットフォームの選択肢、完成品PCの品ぞろえ、対応部品の流通を見る補助材料にはなります。一方で、個別のゲーム性能、動画編集時間、消費電力、対応BIOSを直接表す数字ではありません。自作PCでは用途と総額を先に置き、その後にCPUを比較する順序が安全です。
- 遊ぶゲームの解像度と目標フレームレートを決める
- GPU、CPU、メモリ、マザーボード、電源を同じ予算表で比べる
- ソケット、BIOS、DDR4またはDDR5、クーラー取付金具を確認する
- 実測レビューでは平均fpsだけでなく、測定条件と下位fpsも確認する
- 市場調査のシェアは、出荷比率であることを前提に読む
今後見るべき指標
次の四半期も、出荷台数、ASP、供給状況、メモリやGPUの価格を分けて追う必要があります。AMDの比率が上がることと、特定のRyzenが最安の選択になることは別です。同様にIntelの売上増だけで、特定のCore Ultraが全用途で有利とは言えません。
Q2 2026の推計は、デスクトップ市場が弱い一方で、ノートとサーバーが市場全体を支え、AMDがx86の出荷比率を伸ばした状況を示します。購入時はこの大きな流れを参考にしつつ、Ryzen 5 5500のコスパや個別モデルの記事で、用途と構成に合う部品を確認してください。
