ASRockの小型PC「DeskSlim」に、どのデスクトップCPUとGPUを組み合わせられるのでしょうか。ASRockは2026年10月2日、DeskSlim X600とDeskSlim B760がNVIDIA RTX PRO Blackwell世代の小型グラフィックスカードに対応すると発表しました。両機は約5Lの筐体に交換可能なデスクトップCPU、DDR5メモリ4枚、拡張カード用スロットを収めます。
この記事では、発表の中心であるRTX PRO対応とともに、CPUの対応世代、冷却スペース、メモリ、ストレージ、端子の違いをASRockの発表と製品仕様から整理します。
RTX PRO Blackwellへの対応
今回ASRockが明示した対応カードは、NVIDIA RTX PRO 4000 Blackwell SFF EditionとRTX PRO 2000 Blackwellです。対象となる筐体はAMD向けDeskSlim X600、Intel向けDeskSlim B760の両方。ASRockはAI推論、3D制作、CADなどの用途を想定しています。今回の発表は、既存の2プラットフォームで利用できるGPU構成を明確にしたものです。
デスクトップCPUをソケットに装着できる点が、モバイル向けCPUを基板へ固定した一般的なミニPCとの違いです。VideoCardzの報道も、通常サイズのDDR5 DIMMを4枚使えることと、PCIe 5.0 x16スロットを備えることを取り上げています。CPUとメモリを用途に合わせて選び、条件に合う小型GPUを追加できる構成です。
CPUの対応世代と電力枠
| 項目 | DeskSlim X600 | DeskSlim B760 |
|---|---|---|
| CPUソケット | AMD AM5 | Intel LGA1700 |
| 対応CPU | Ryzen 9000/8000/7000シリーズ | 第14/13/12世代Core |
| ASRockが示すCPU対応上限 | 120W | 125W |
| チップセット | AMD X600 | Intel B760 |
X600の公式仕様はRyzen 9000、8000、7000シリーズと最大120WのCPU対応を示しています。B760の公式仕様は第12〜14世代Core、最大125Wです。既にAM5のCPUを使っているならX600、LGA1700のCPUを使っているならB760という選択が基本になります。両機ともユーザーがCPUを選ぶ方式ですが、対応世代は異なります。
この120W/125WはASRockが示す対応CPUの範囲です。完成したPCでのコンセント消費電力や、高負荷をかけ続けたときの実測性能を表す数字ではありません。製品仕様に記載されたCPUクーラーの高さ上限は両機とも71mm。CPU、背の低いクーラー、GPUを同時に収める5L構成では、冷却部品の寸法が具体的な組み立て条件になります。
GPUの寸法と外部電源
両機はPCIe 5.0 x16スロットを備え、ロープロファイルの2スロット幅GPUを取り付けられます。ASRockが示すカード寸法の上限は長さ200mm、高さ70mm、厚さ38mmで、バックプレートの厚さは6mm以下です。今回名前が挙がったRTX PRO 2機種は、この寸法条件に合う対応例です。
電源は本体外のACアダプター方式です。両製品の標準付属品には240W/19Vのアダプターが記載され、ASRockの製品紹介では330W構成にも言及しています。ASRockは今回、GPUを加えた構成ごとの消費電力や処理性能の実測値を公表していません。
メモリ・ストレージ・端子の違い
メモリは両機ともDDR5 DIMMを4枚装着でき、公式仕様の最大容量は256GBです。DDR5-7200+という表記はオーバークロック時の対応値。実際の設定はCPU世代、メモリ構成、対応リストに沿って決まります。2枚構成から容量を増やせる点は、メモリを多く使う制作やローカルAI用途で意味があります。
ストレージは両機にSATA端子が2つ、M.2 2280スロットが2つあります。X600ではM.2の一方がPCIe 5.0 x4、もう一方がPCIe 4.0 x4です。B760では2基ともPCIe 4.0 x4。高速SSDを1基使いたい場合、この差が選択材料になります。一方、OS用と作業データ用を分ける基本構成はどちらも可能です。
映像出力はX600がHDMI、DisplayPort、USB Type-C、B760がHDMIとDisplayPort 2系統です。X600のUSB Type-CはRyzen 8000G搭載時にUSB4として機能し、Ryzen 9000/7000搭載時はDisplayPort Alt Mode対応と公式仕様に記載されています。B760の仕様表にはUSB4端子がありません。X600でUSB4接続の機器を使うなら、Ryzen 8000G搭載時という条件が選択に関わります。
販売状況と選び方
ASRockは2機種を世界の流通網で取り扱うと発表しています。日本向けの販売価格や、今回のRTX PRO構成の国内店頭在庫は発表文に示されていません。製品本体はすでに存在し、10月2日の発表はRTX PRO Blackwellカードへの対応を明示したものです。
DeskSlim X600はAM5 CPUとPCIe 5.0 SSDの組み合わせ、DeskSlim B760は第12〜14世代Coreを活用する小型構成に向きます。両機ともGPUを増設できますが、カードの寸法とCPUクーラーの高さが選択範囲を決めます。CPUまで具体的に選ぶなら、Ryzen 5 9600X向けマザーボードの確認点やCore i7-13700FとB760の組み合わせも参考になります。
