低予算構成でクーラー代を浮かせられるかどうかは、総額に直結する問題です。Core i5-12400Fには純正クーラーのLaminar RM1が付属し、追加費用ゼロで組み始められます。問題は、それで本当に足りるのか。本記事では付属クーラーの実力から、足りる使い方と足りない使い方の線引き、社外品に替える価値、運用のコツまでを解説します。読み終える頃には、自分の使い方でクーラー代が要るかどうか判断できます。
付属するLaminar RM1
12400Fの箱には、Intel純正のLaminar RM1クーラーが入っています。第12世代から刷新されたデザインのトップフロー型で、65Wクラスの発熱を想定した冷却能力を持ちます。グリスは塗布済みで、プッシュピンで固定するだけ。ドライバー1本でも組める手軽さです。別売りクーラーを買わずに1台を完成させられることは、12400Fの価格的な魅力の一部と言っていいでしょう。まずはこの付属品の実力を、冷静に見ていきます。
定格運用なら足りる
結論として、定格運用ならLaminar RM1で足ります。12400Fのベース電力は65W、最大ターボでも117Wと発熱は穏やかで、ブラウジングや動画視聴では温度に余裕があります。ゲーム中もCPU負荷はほどほどに収まるため、サーマルスロットリングで性能が落ちる心配はまずありません。「動くかどうか」で言えば、文句なしに動きます。低予算で1台を完成させる目的に対して、付属クーラーは役割を果たします。
弱点は高負荷時の音
弱点は温度より音です。エンコードや重量級ゲームで負荷が続くと、RM1は小径ファンを高回転させて冷やそうとし、風切り音が目立ってきます。夜の静かな部屋では気になる水準です。温度自体は許容範囲に収まるので、性能面の実害は小さいのですが、快適さの面ではここが付属クーラーの限界になります。ヘッドホンでゲームをする人なら気にならず、スピーカー派や静音志向の人には引っかかる。音への感度が判断の分かれ目です。
社外クーラーに替える価値
数千円のサイドフロー空冷に替えると、変化はまず音に表れます。大径ファンが低回転で同じ熱を処理するため、高負荷時でも耳障りな高音が消えます。温度も下がり、真夏の長時間ゲームでも余裕が生まれます。117Wに対してヒートパイプ4本クラスで十分すぎる能力があり、高価なモデルは不要です。「まず付属で組む、音が気になったら数千円で解決」。この二段構えができるのは、付属クーラーがあるCPUの特権です。最初から静音を求める人だけ、同時購入すれば良いでしょう。
取り付けのコツ
Laminar RM1のプッシュピンは、対角線の順に押し込むのがコツです。4本すべてが確実に固定されたか、マザーボード裏からピンの先端が出ているかを確認してください。片側が浮いていると接地が甘くなり、温度が跳ね上がります。一度外した場合は、グリスを拭き取って塗り直します。社外クーラーに替える場合はバックプレート式が多く、取り付けはやや手間ですが、固定の確実さと安心感は上です。どちらでも、最初の固定確認だけは丁寧に。
エアフローで底上げする
クーラー単体の能力に頼らず、ケースの空気の流れで底上げする手もあります。前面吸気と背面排気のファンを1基ずつ確保するだけで、CPU周辺の温度は数度下がり、RM1の回転数も下がって静かになります。トップフロー型のRM1は、周辺のVRMやメモリにも風を当てられるため、ケースの風がきちんと流れていれば実力以上に働きます。ケースファンは安価なパーツなので、クーラー買い替えの前に試す価値があります。
運用とメンテナンス
長く使ううえでの注意はホコリだけです。小径ファンはホコリの影響を受けやすく、目詰まりすると音と温度が一気に悪化します。半年から1年に一度、エアダスターで吹くだけで初期性能を保てます。フィルター付きケースならさらに手間が減ります。発熱の穏やかな12400Fは、クーラーへの負担も小さく、メンテナンスさえ怠らなければ付属品でも長期運用に耐えます。手のかからなさも、このCPUの美点のひとつです。
まとめ
Core i5-12400Fの付属クーラーLaminar RM1は、定格運用なら十分に足ります。弱点は高負荷時の音で、静音を求めるなら数千円のサイドフロー空冷への交換が効きます。まず付属で組んで、必要を感じてから足す二段構えが低予算構成の正解です。電源やマザーボードの選び方は関連記事で扱っています。あわせてどうぞ。
