Ryzen 5 3600はWindows 11の公式対応CPUです。互換性チェックで不合格になる場合は、TPM 2.0の無効化、Legacy起動、セキュアブート要件、古いBIOSなどを確認します。設定変更前に現在の起動方式と暗号化状態を記録し、バックアップを作ってから一項目ずつ直します。
Windows 11の公式CPUリスト
MicrosoftのWindows 11対応AMDプロセッサ一覧には、Ryzen 5 3600が明記されています。AMDの製品ページも対応OSにWindows 11 64ビットを挙げ、Windows 11向けソフトウェアを掲載しています。
ただし、CPUリストへの掲載はPC全体の合格を保証しません。Microsoftのシステム要件では、TPM 2.0、UEFIとセキュアブート対応、メモリ、ストレージ、グラフィックスなども求めています。Ryzen 5 3600には内蔵GPUがないため、DirectX要件を満たす外部GPUも必要です。
Windows上の3項目
まずMicrosoftの「PC正常性チェック」を使い、どの項目で不合格かを確認します。次にWin + Rを押してtpm.mscを実行し、「TPMは使用する準備ができています」と仕様バージョン2.0が表示されるかを見ます。TPMが見つからない場合でも、マザーボード上の機能がBIOSで無効なだけかもしれません。
続いてWin + Rからmsinfo32を開き、「BIOSモード」がUEFIか、「セキュアブートの状態」が有効または対応可能な状態かを確認します。Legacyと表示されるPCで、いきなりCSMを無効にすると起動できなくなる場合があります。システムディスクのパーティション形式がMBRかGPTかも、ディスクのプロパティで確認してください。
最後に設定からデバイス暗号化またはBitLockerの状態を確認し、利用中なら回復キーをMicrosoftアカウント以外の安全な場所にも保存します。BIOS更新やTPM設定変更で回復キーを求められる可能性があるためです。
AMD fTPMによるTPM 2.0対応
MicrosoftのTPM有効化手順では、BIOS内の名称として「AMD fTPM switch」「AMD PSP fTPM」「Security Device Support」などを例示しています。メニュー名はASUS、MSI、GIGABYTE、ASRockなどで異なるため、自分のマザーボードのマニュアルを参照します。
Ryzen 5 3600環境では、通常はCPUのファームウェアTPMを利用できます。別売りTPMモジュールを検討する前に、最新の安定BIOSとCPUサポート状況を確認し、メーカー手順でfTPMを有効にします。中古マザーでは以前の所有者の設定が残っていることもあるため、変更前の画面を撮影します。
UEFIとセキュアブートの設定
セキュアブートを使うにはUEFI起動が前提です。現在Legacy/CSM起動かつシステムディスクがMBRなら、データをバックアップし、Windowsの変換手段がその環境で利用できるか確認してからGPTへ移行します。変換の成否を確認せずCSMだけ無効にしないでください。
UEFI起動を確認後、BIOSでCSMを無効にし、セキュアブートを有効化します。鍵の初期化やOS Typeの選択が必要な製品もあります。設定保存後にWindowsが正常起動することを確認し、msinfo32とPC正常性チェックを再実行します。一度に複数項目を変えると、起動しないときに戻す場所が分からなくなります。
移行前の実務チェック
重要ファイルを別ドライブまたはクラウドへバックアップし、BitLocker回復キー、アプリのライセンス、ブラウザー同期を確認します。OS用SSDには更新ファイルと復元用の空きを確保します。マザーボードのBIOS、AMDチップセットドライバー、GPUドライバーは、それぞれの公式配布元から安定版を用意します。
周辺機器や古い業務ソフトがWindows 11に対応するかも確認します。CPU対応とアプリ対応は別問題です。特殊なオーディオ機器、キャプチャーカード、プリンターを使う場合は、メーカーがWindows 11用ドライバーを提供しているかを移行前に調べます。
不合格表示の切り分け
CPU名が正しく認識されているか、BIOSの日付が極端に古くないか、fTPMが2.0として見えるか、起動がUEFIかを順番に再確認します。BIOS設定を有効にしてもWindows側へ反映されない場合は、完全シャットダウン後の再起動やBIOS既定値からの再設定を行います。それでも解決しなければ、PC正常性チェックが示す項目とマザー型番を基にメーカーサポートへ確認します。
要件を迂回する非公式インストールは、今後の更新やサポートを保証しません。Ryzen 5 3600自体は対応しているため、先に構成上の原因を直す方が長期運用に向きます。
まとめ
Ryzen 5 3600はWindows 11公式対応です。不合格なら、tpm.mscでTPM 2.0、msinfo32でUEFIとセキュアブートを確認します。BitLocker回復キーとバックアップを確保し、AMD fTPM、GPT/UEFI、セキュアブートを一項目ずつ整えれば、CPU交換なしで移行できる可能性があります。
