Ryzen 7 5800X3D 10周年版の箱には、Carbice製のIce Padが入ります。これはCPUとクーラーの間に挟む熱伝導材です。AMDの発表とCarbiceの案内の双方が同梱を確認できます。一方、放熱器とファンを備えたCPUクーラーは別売り。組み付け前に、Ice Padとクーラーの役割を分けて用意しましょう。
同梱品とCPUの熱仕様
AMDの製品仕様でRyzen 7 5800X3DはTDP 105W、最大動作温度Tjmax 90℃です。AMDは最適な性能のため液冷を推奨し、箱入りCPUの熱対策欄にはクーラー「同梱なし」と書いています。
高性能の空冷クーラーもAM4対応品として流通しますが、選定時はメーカー公表の対応ソケット、冷却可能なCPUクラス、ケース内の高さ制限を照合します。既存クーラーを使うなら、AM4用金具が残っているかも確認対象です。温度が90℃へ近づく条件ではクロックを維持しづらくなるため、長時間の負荷を想定する人ほど放熱の余裕に価値があります。
Ice Padの取り付け順序
CarbiceのAMD向け公式手順では、最初にPCの電源を落とします。交換するCPUとクーラーの接触面に古いグリスが残る場合、イソプロピルアルコールと毛羽の出ない布で拭き、乾かします。新しいパッドの片側の透明フィルムをはがし、CPUの金属製天面の中央へ貼り付けます。軽く均等に押して位置を固定し、残るフィルムをはがしてからクーラーを取り付けます。
| 順序 | 作業 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 旧グリスを清掃 | 接触面を揃える |
| 2 | 片側フィルムを外す | CPU側へ貼る |
| 3 | もう片側も外す | クーラーと接触させる |
| 4 | クーラーを固定 | 規定の圧力をかける |
両面のフィルムを外す点が見落としやすい作業です。フィルムが残ると熱の通り道に別の層が残ります。パッドはそのままの寸法で使い、切ったり折ったりしません。CarbiceはAM4・AM5向けの製品として案内しています。
慣らし運転の意味
Carbiceは、装着直後からIce Padを使えると説明しています。そのうえで、30~60分程度PCを使い、その後数日間の通常の加熱と冷却を経ると接触状態がなじむと案内。特殊な高温処理や、起動前の待機時間は求めていません。初日からゲームを始められ、通常の使用を続ければ十分です。
ASCIIの実機記事も10周年版にパッドが1枚付属することを確認しています。パッドの耐久性や冷却性能を数値で比較するときは、クーラー、室温、固定圧、CPU負荷が揃った測定が必要です。温度差はクーラー、室温、固定圧、CPU負荷を揃えた測定で比較できます。ここでは製品に付く熱伝導材として、装着手順と交換時の扱いを示します。
クーラーを外す場合
Carbiceは一度取り外したIce Padの再利用を推奨していません。クーラーを交換する場合、再装着用には新しいパッドまたは適合する別の熱伝導材を用意します。CPUから外す際には柔らかい布で残りを拭き、必要ならイソプロピルアルコールを使えます。クーラー購入時に新しいグリスが同梱される製品なら、それを使う選択もあります。
装着後の温度確認
装着後は同じ室温と同じゲーム設定でCPU温度を見れば、クーラーが正しく固定されたかを追いやすくなります。温度が以前より大きく上がる場合は、ファン回転、クーラーの固定、ケース内の風の流れを順に確認します。Carbiceが示す30~60分は初期のなじみを促す目安です。温度が急上昇したら、ファン回転と固定状態をすぐ確認します。
グリスとの使い分け
Ice Padは箱に付属する熱伝導材なので、新品の10周年版を初めて組む際は追加のCPUグリスなしで取り付けられます。パッドとグリスを重ねて塗る作業はCarbiceの手順にありません。接触面を清掃し、パッドだけを挟む構成です。クーラーの底面に工場出荷時のグリスが塗られている場合も、Ice Padを使うならそのグリスを除去してから装着します。
Carbiceの説明では、表面を固定するためのワックスは電気を通さない設計です。取り付け時にパッドを曲げたり、CPU天面からはみ出す位置へ置いたりせず、指定の中央へ貼ります。クーラーを外した後はパッドの再利用をメーカーが推奨していないため、定期清掃で放熱器だけを外す予定がある人は交換用の熱伝導材も持っておくと作業を中断せずに済みます。
取り付け後の温度は室温にも左右されます。初回起動時はファンが回っているかとクーラーの固定状態を確認し、通常のゲーム負荷で温度が落ち着くかを見ます。
Carbiceは取り付け後すぐに使えると明記し、通常の使用による加熱と冷却で接触面がなじむと説明しています。初日の温度だけを最終状態と決めず、同じ負荷で数日後にも温度を記録すると、自分のクーラーとケースでの変化を見られます。
まとめ
10周年版に付くIce PadはCPUとクーラーの接触面を埋める部材です。放熱用クーラーは別に必要で、AMDの公表値は105WとTjmax 90℃。旧グリスを清掃し、両面のフィルムを外して装着すれば、追加の慣らし作業なしで使い始められます。手持ちのクーラーを使う人はAM4取付金具と冷却能力を確認してください。
