「Ryzen 9 9900X3Dは12コアという中途半端な数字だけれど、ゲーム性能はどのくらい高いのだろう」。8コアの9800X3Dと16コアの9950X3Dの間に位置するモデルだけに、実力を測りかねている方も多いのではないでしょうか。本記事では、Ryzen 9 9900X3Dのゲーム性能を、公式スペックと海外レビューのベンチマーク結果から解説します。読み終える頃には、このCPUがゲーミング用途にどこまで向いているか、判断できるようになるはずです。

Ryzen 9 9900X3Dの基本スペック

Ryzen 9 9900X3Dは、Zen 5アーキテクチャを採用した12コア24スレッドのデスクトップ向けCPUです。6コアずつの2つのCCD(コアコンプレックスダイ)で構成され、片方のCCDにのみ2nd世代AMD 3D V-Cache技術が搭載されています。ベースクロックは4.4GHz、ブーストクロックは最大5.5GHzに達し、L3キャッシュは128MBです。AMDは、V-Cache非搭載側のCCDを高クロック・高スループット向けに、V-Cache搭載側のCCDをゲームなどレイテンシ重視の処理向けに使い分ける設計を採用しています。9800X3Dと9950X3Dの中間に位置する、バランス志向の構成が9900X3D最大の特徴です。

実測ベンチマークで見る性能

海外ベンチマークサイトpcbench.netの検証によると、Ryzen 9 9900X3DはCinebench R23でシングルコア2258・マルチコア34549というスコアを記録しています。ゲーム性能についても、SILENT HILL fの1080p Ultra設定で平均136fps・最低125fpsという結果が報告されており、V-Cache搭載CPUらしい安定したフレームレートを維持できています。マルチコア性能では8コアのRyzen 7 9800X3Dを大きく上回る一方、ゲーム性能そのものはV-Cache搭載コア数が同じであるため、大差がつきにくい傾向にあります。

「ミドルチャイルド」としての評価

Tom’s Hardwareのレビューでは、9900X3Dを「3D V-Cacheのミドルチャイルド(中間子)」と表現し、価格に対してゲーム性能の伸びしろが小さい点を指摘しています。KitGuruのレビューでも評価は7.0点にとどまり、突出した存在ではないという評価です。ゲーム性能だけを基準にすると、同じV-Cache世代を持つ8コアの9800X3Dとの差が小さく、価格差ほどの優位性を感じにくいCPUです。

こんな人におすすめ

Ryzen 9 9900X3Dがおすすめなのは、ゲームをしながら動画のエンコードや軽めのレンダリングも並行してこなしたい方です。ゲーム性能だけを重視するなら9800X3Dで十分な場面が多い一方、12コア24スレッドという余裕あるコア数は、配信をしながらのゲームプレイや、マルチタスクを伴う作業に活きてきます。

よくある質問

Q. 9950X3Dより9900X3Dのほうがゲーム向きということはありますか?

A. 基本的にはありません。ゲーム性能自体はV-Cache搭載コア数がほぼ同じ9800X3D・9950X3Dと近い水準にとどまり、9900X3Dだけが優れているわけではありません。

Q. WQHDや4Kでも同じ傾向ですか?

A. 解像度が上がるほどGPU側の負荷が支配的になり、CPU間の性能差は縮まる傾向にあります。フルHDや高リフレッシュレート環境で違いが最も表れやすい点は覚えておきましょう。

解像度別に見る性能差の出方

ゲーム性能の差が最も表れやすいのは、フルHDのような低解像度・高リフレッシュレート環境です。GPU側の負荷が軽くなる分、CPUの処理速度がフレームレートの上限を決めやすくなるためです。一方、4Kのような高解像度ではGPU側の負荷が支配的になり、9800X3D・9900X3D・9950X3Dのどれを選んでもフレームレートの差はほとんど感じにくくなります。eスポーツタイトルを高フレームレートでプレイしたい方ほど、CPU選びの影響を受けやすいと考えておきましょう。

まとめ

Ryzen 9 9900X3Dは、Zen 5アーキテクチャと128MBのL3キャッシュを武器に、9800X3Dと同水準のゲーム性能を発揮しつつ、12コア24スレッドによるマルチタスク耐性を備えたCPUです。ただし、ゲーム性能だけを見れば価格差に見合う優位性は小さく、レビューでも「ミドルチャイルド」と評されています。ゲームと軽めの制作作業を両立したい方に向いたCPUといえるでしょう。組み合わせるGPUや電源選びで迷ったら、関連記事もあわせてチェックしてみてください。