Core i3-13100FでPCを組む際、B760とH610のどちらを選ぶかはCPU性能だけでは決まりません。メモリの増設、SSDの本数、外部端子、BIOS対応が使い勝手を左右します。実在するDDR4マザーボードを二つ並べ、製品ごとの差として判断します。

LGA1700とチップセットの条件

Intelの仕様で13100FのソケットはFCLGA1700、CPU側のPCI Express対応は5.0と4.0、最大20レーンです。CPUが対応する規格と、ボードが実際に配線する速度は別です。安価なH610ボードではGPU用スロットがPCIe 4.0、SSD用M.2がPCIe 3.0の場合があります。製品仕様の「CPUから」「チップセットから」という表記も合わせて読みます。

Intelは第13世代CPUと600・700シリーズの組み合わせについてBIOS更新の案内を出しています。特に発売初期のH610ボードでは、箱の型番が同じでも搭載BIOSの版が異なる可能性があります。購入時はメーカーのCPUサポート表に13100Fが載っているか、必要なBIOS版と現在の版を照合します。

H610の実例:MSI PRO H610M-G DDR4

MSIの製品仕様では、このボードはDDR4スロットが2本、最大容量が64GBです。GPU用のx16スロットはCPU接続のPCIe 4.0、ストレージ用M.2は1本でチップセット接続のPCIe 3.0 x4。SATA端子は4本です。SSDを1本、メモリを2枚で使う小型のゲーム用PCなら、必要な接続を数えやすい構成です。

後でNVMe SSDを2本に増やしたい場合は、1本目のM.2を使った時点で空きがありません。PCIe拡張カードやSATA SSDで補う道はありますが、ケースの空き、カードの差し込み位置、速度が変わります。またメモリスロット2本を両方使うと、容量を増やす際は既存メモリの交換が必要になりやすい点も総費用に含めます。

MSIはHDMIなどの背面映像出力を掲載していますが、これらは内蔵GPU付きCPUでのみ利用できます。13100Fには映像処理機能がないため、モニターは単体グラフィックスカードへ接続します。ボードのHDMI端子は残りますが、13100Fを搭載した構成では映像信号を出力しません。

B760の実例:ASRock B760M Pro RS/D4

ASRockの製品ページでは、B760M Pro RS/D4はDDR4スロット4本、PCIe 4.0 x4のM.2を2本、SATA端子4本、2.5Gb LANを備えます。H610の実例よりメモリと高速SSDの増設余地が大きく、二つのNVMe SSDを使う予定がある人には差が具体的です。ボードの「D4」はDDR4仕様を示し、DDR5のメモリを購入しても挿せません。

このB760ボードにもHDMIとDisplayPortがありますが、ASRockは内蔵GPU付きCPUでのみ映像端子が使えると明記しています。13100Fではやはり単体GPUが必要です。B760を買ってもCPUの4コアが増えるわけではありません。ボードへ追加費用を払う理由は、SSD、メモリ、USBやネットワークなど、使う端子にあるかを見極めます。

端子数の具体的な差

MSIのH610製品は1Gbps LAN、背面にUSB 3.2 Gen 1 Type-Aが2口です。一方、ASRockのB760製品は2.5Gbps LANに加え、背面と前面用にUSB 3.2 Gen 1 Type-Cを各1口備えます。有線ネットワークやType-C機器を日常的に使うなら、チップセット名よりこの差が購入後の使いやすさにつながります。Type-Cはケース前面端子へ配線できるかも合わせて確認します。

どちらもmATX製品ですが、背面端子と基板上のコネクター位置は異なります。小型ケースではGPUの厚さが隣の拡張スロットをふさぐこともあります。Wi-Fiが必要な人は無線機能が標準搭載か、別売りモジュールやUSB子機が必要かを製品仕様で確定します。安いボードへ後から周辺機器を足した総額が、上位ボードに近づく場合があります。

購入前に数える項目

最初にメモリ規格と予定容量、次にM.2 SSDの本数、最後にケースへ入る基板サイズを決めます。メモリを16GB×2枚で固定し、SSDが1本ならH610の例でも足ります。将来32GB×2枚やSSD2本へ拡張するなら、空きスロットを残せるB760の例が扱いやすくなります。さらにBIOS版、CPU補助電源端子、GPUの厚みで隠れる拡張スロットも実機の組み方に影響します。

比較したMSI製H610はM.2 SSDを1本、ASRock製B760は2本搭載できます。メモリスロットも前者2本、後者4本という差です。必要な本数が決まれば、候補の製品仕様から選択できます。DDR4とDDR5の選び方と内蔵GPUなしの接続方法も合わせると、部品を注文する前に組み合わせを確定できます。