「Core Ultra 7 265Kはゲーミング用途に向いているのか」。20コアという表記だけを見ると圧倒的な性能に思えますが、実際のゲームフレームレートはコア数だけでは決まりません。本記事では、TechPowerUpの実測ベンチマークをもとに、Core Ultra 7 265Kのゲーム性能を前世代のCore i7-14700KやライバルのRyzen 9 9900Xと比較します。読み終える頃には、自分の用途にこのCPUが合うかどうかを具体的に判断できるようになります。
8P+12Eという20コア構成
Core Ultra 7 265Kは、Intel公式仕様によるとPコア8基・Eコア12基の合計20コア・20スレッド構成です。前世代までのHyper-Threadingは廃止され、コアあたりの実効性能を高める設計に切り替わりました。Pコアはベース3.9GHz・最大ブースト5.4GHz、全体の最大ターボは5.5GHzに達します。L3キャッシュは30MB、L2キャッシュは36MBという大容量構成で、TSMCのN3Bプロセスを採用したタイル構造で製造されています。
14世代比では8%遅いという実測結果
TechPowerUpのレビューによると、Core Ultra 7 265Kは14ゲーム平均で前世代のCore i7-14700Kより約8%遅いという結果が出ています。コア数とキャッシュの増強にもかかわらず、ゲーム用途ではアーキテクチャ刷新の恩恵がそのまま数値に反映されていません。Intelはアプリケーション性能と電力効率を優先した設計に振っており、ゲームフレームレート最優先のユーザーには物足りなさが残る結果です。
Ryzen 9 9900Xとの比較
競合のRyzen 9 9900Xとの比較でも、Core Ultra 7 265Kは同レビューで約4%下回る結果が示されています。PC Watchが伝えたCore Ultra 200S世代全体のレビューでも、上位モデルのCore Ultra 9 285KがRyzen 9 9950XやRyzen 7 7800X3Dに多くのタイトルで及ばなかったと報告されており、Core Ultra 200S世代はゲーム性能面でRyzenに一歩譲る傾向が共通しています。3D V-Cache搭載モデルのような大容量L3キャッシュを1つのCCDに集約する設計と比べると、ゲームのようにレイテンシに敏感な処理では不利に働きやすい構造です。
CPU負荷が高いタイトルでは互角
一方で、PC Watchのレビューではモンスターハンター系のようなCPU負荷の高いタイトルにおいて、より競争力のある結果が出たとも報告されています。20コアという物理コア数の多さが活きる場面では、シングルスレッド重視のタイトルほどの差は出にくい傾向です。マルチプレイヤーの大規模タイトルや、バックグラウンド処理が多いゲームでは、Core Ultra 7 265Kの強みが発揮されやすくなります。
ゲーミング時の消費電力の低さ
ゲーム性能そのものは前世代・競合に譲る場面があるものの、消費電力面では明確な改善が見られます。TechPowerUpの実測では、ゲーム実行時の消費電力が77Wにとどまり、前世代のCore i7-14700Kの116Wから大きく削減されています。フレームレート最優先ではなく、静音性や発熱の少なさも重視する構成であれば、この電力効率の高さはメリットとして働きます。
発売直後の設定まわりの注意点
Core Ultra 200S世代は発売直後、Windowsの電源プランを「高パフォーマンス」に設定しないと本来の性能が出ないという指摘がPC Watchのレビューで挙げられていました。その後のWindows Updateやチップセットドライバの更新で改善が進められていますが、購入時にはBIOSとチップセットドライバを最新の状態にしておくことをおすすめします。
解像度による違いにも注目
CPUのゲーム性能差は、フルHDのような低解像度ほど顕著に表れ、4KのようにGPU側がボトルネックになりやすい解像度では差が縮まる傾向があります。RTX 4090クラスの高性能グラフィックボードを組み合わせた検証でこそCPU間の差がはっきり出ますが、ミドルクラスのグラフィックボードと4K解像度を組み合わせる構成であれば、Core Ultra 7 265Kとライバル機種との体感差はさらに小さくなります。狙う解像度とグラフィックボードのグレードを踏まえて、CPU選びの優先度を調整しましょう。
まとめ
Core Ultra 7 265Kは、フレームレート単体で見ればCore i7-14700KやRyzen 9 9900Xにやや譲る場面がある一方、消費電力は大きく削減されています。ゲーム性能を最優先するなら他の選択肢も検討する価値がありますが、動画編集などの生産性作業もこなしたいなら十分な選択肢です。マザーボードや冷却の選び方が気になる方は、関連記事もあわせてご覧ください。
