「20コアという数字は魅力的だけど、実際の動画編集作業でどこまで速くなるのか」。コア数の多さは動画編集用途と相性が良いとされますが、実際の書き出し時間や快適さは数値だけでは見えてきません。本記事ではCore Ultra 7 265Kのレンダリング性能を実測データから確認し、動画編集用途での実力を整理します。読み終える頃には、このCPUが自分の編集環境に見合うかどうかが判断できるはずです。

Cinebench 2024で2000点超のマルチコアスコア

Core Ultra 7 265Kは、Cinebench 2024のマルチコアテストでおよそ2000〜2050点というスコアを記録します。8基のPコアと12基のEコアを組み合わせた20コア構成が、レンダリングのような並列処理が効く作業でしっかりとスコアに反映される結果です。シングルコアスコアも139点前後を記録しており、タイムライン編集中のプレビュー再生やエフェクト処理のようなシングルスレッド寄りの作業でも十分な応答性が期待できます。

Blenderのレンダリングで前世代を上回る

同世代のCore Ultra 7 265系列を使ったBlenderのBMWシーンレンダリングでは、約460秒で完了し、前世代のCore i7-14700Kより約7%速いという結果が報告されています。3Dモデルを使ったモーショングラフィックスや、動画編集ソフトに組み込まれた3D機能を活用する場面でも、この処理速度の向上は体感につながりやすいポイントです。

Premiere Proでの4Kプロジェクト書き出し

色調補正とエフェクトを含む20分尺の4K Premiere Proプロジェクトを使ったテストでは、書き出しに約12分を要したという計測結果が出ています。20コアCPUとしては標準的な水準ですが、単体グラフィックボードと組み合わせてGPUアクセラレーションを併用すれば、さらに書き出し時間を短縮できる余地があります。CPU単体の性能だけでなく、GPU側のエンコード支援機能もあわせて活用する構成が動画編集用途では効果的です。

内蔵Quick Syncによるエンコード支援

Core Ultra 7 265Kの内蔵グラフィックスにはIntel Quick Sync Videoが搭載されており、H.264やHEVC、AV1形式のハードウェアエンコード・デコードに対応しています。単体グラフィックボードを搭載した構成でも、Quick Syncをプレビュー再生支援やプロキシファイル生成に割り当てることで、GPU側の負荷を分散させる使い方が可能です。DaVinci ResolveやPremiere Proなど主要な編集ソフトはIntel Quick Syncのハードウェアエンコードに対応しているため、書き出し設定でハードウェアアクセラレーションを有効にしておくと処理時間を短縮できます。

消費電力とワークロードの持続性

TechPowerUpの実測によると、49種類のアプリケーションを使った負荷テストでCore Ultra 7 265Kの平均消費電力は108Wにとどまり、前世代のCore i7-14700Kの140Wから約30%削減されています。長時間の書き出し作業を繰り返す動画編集用途では、この電力効率の高さが発熱や冷却の負担軽減につながり、静音性を重視する編集環境でも扱いやすい特性です。

メモリ帯域とタイムライン編集の快適さ

4K・8K素材を複数トラックで扱うタイムライン編集では、メモリ帯域の広さも作業の快適さに影響します。DDR5-6400対応のCore Ultra 7 265Kであれば、高クロックのメモリキットと組み合わせることで、プレビュー再生時のコマ落ちを抑えやすくなります。大容量のRAWデータを扱う場合は、32GB以上のメモリ容量を確保しておくとキャッシュ処理の負担が減り、編集ソフトの動作がより安定します。

複数ソフトの同時起動での余裕

動画編集の現場では、編集ソフトを開きながらブラウザで資料を確認したり、音声編集ソフトを並行して立ち上げたりする場面も少なくありません。20コア構成のCore Ultra 7 265Kは、こうした複数アプリケーションを同時に動かす場面でもコアの割り当てに余裕があり、メインの編集作業が他のアプリの動作でもたつきにくい特性があります。バックグラウンドで書き出し処理を走らせながら別の作業を進めるといった使い方にも向いています。

まとめ

Core Ultra 7 265Kは、Cinebench 2024で2000点超、Blenderでも前世代を上回るレンダリング性能を発揮し、動画編集用途に十分対応できる実力を持っています。内蔵Quick Syncを活用すればエンコード負荷の分散も可能です。電源容量やコストパフォーマンスが気になる方は、関連記事もあわせてご覧ください。