Core Ultra 5 235の仕様には65Wと121Wの二つの電力値が載っています。電源ユニットを選ぶときは、この数字だけでPC全体のワット数を決められません。グラフィックボード、ストレージ、ファン、USB機器にも電力が必要です。Intelの定義と構成別の試算を使い、必要容量を順に計算します。
CPUの二つの電力値
Intel公式の235仕様では、Processor Base Powerが65W、Maximum Turbo Powerが121Wです。前者は基本電力、後者はターボ時の上限です。作業中にCPUが常時121Wを消費する意味でも、PCのコンセントからの電力が121Wに収まる意味でもありません。
CPUパッケージ電力は作業内容と電力制限の設定に応じて変わります。短い処理ではターボが効き、長時間の高負荷では冷却とBIOS設定がクロックを左右します。KitGuruの235実機レビューは、245Kに迫る場面がありながら235の電力はかなり小さいと評価しました。定量的なPC全体の消費電力は構成ごとに測る必要があります。
Notebookcheckの実測は、RTX 4090を載せた235のテスト機でCinebench R23マルチコア実行時に平均173.7W、GPUを使うFurMarkでは平均544Wのシステム電力を示しています。同じPCでも負荷をかける部品により壁側の値が大きく変わる例です。GPUを変えれば結果も変わるため、下の表ではGPU電力を別に置いて計算します。
電源容量の試算
電源選びには、まず外部GPUの公称ボード電力とメーカーの推奨電源を確認します。下の例はCPUを最大121W、CPU以外のマザーボード・SSD・ファン・USB機器を合計70Wと仮定し、GPU電力を足した後に約25%の余裕を見た概算です。70Wと25%はこの試算の前提であり、Intelの公称値ではありません。
| GPUの仮定電力 | CPU+その他+GPU | 25%の余裕を加えた目安 | 検討する電源 |
|---|---|---|---|
| 0W(内蔵GPU) | 191W | 約239W | 余裕ある適合品 |
| 200W | 391W | 約489W | 550W級から検討 |
| 300W | 491W | 約614W | 650W級から検討 |
計算は「(121W+70W+GPU電力)×1.25」です。外部GPUのメーカーが電源容量を指定する場合は、その推奨値と試算値の大きい方を採用します。特に高性能GPUでは瞬間的な負荷や補助電源コネクターの条件があるため、GPUの仕様書に沿う電源が必要です。
内蔵GPUだけなら消費電力の計算上は小さい容量で足ります。それでも電源ユニットには効率、コネクター数、将来のGPU増設計画があります。増設を予定するなら、今の構成だけで容量をぴったり決めず、追加するGPUの公称電力で表を作り直します。
CPU単体とPC全体の測定
ワットチェッカーが示すのはコンセント側のPC全体の電力です。CPU監視ソフトが示すパッケージ電力とは、測っている場所が違います。CPUが121W付近でも、メモリやGPU、基板の消費分が加わり、電源の変換損失も壁側の値に含まれます。比較表へ書き込むなら、測定点を明記します。
ゲームではGPUとCPUの両方を使います。特にWQHDや4Kで画質を上げる構成ではGPUの電力が主な容量要因になりやすいため、235の65Wという数字だけで電源を小さくしない方が実用的です。逆にGPUなしの事務PCなら、CPUの最大ターボ値と他の部品を合算して、必要な余裕を見積もれます。
マザーボード側にも確認点があります。たとえばASUS PRIME B860M-AはCPU用の電源コネクターを備えます。使う電源に必要なEPSコネクターと、外部GPU用PCIeコネクターが揃っているかを確認します。容量の表示だけでなく、配線とケースに収まるサイズまで含めると組み立て後の手戻りを減らせます。
250W級GPUを加える例
仮にGPUの公称電力が250Wなら、先ほどの式は「121+70+250=441W」、25%の余裕を加えて約551Wです。この例では650W級を検討すると余裕を取りやすくなります。実際に選ぶ際はGPUメーカーの推奨電源容量がこの数値より高ければ、そちらへ合わせます。GPUを交換する予定がある人は、現在のGPUだけでなく次に使いたいGPUの電力でも計算します。
電源ユニットの容量は出力側の定格値です。壁側で測る消費電力は変換効率の影響を受けるため、同じ数字として比較しません。必要なPCIe補助電源ケーブルとCPU用EPSケーブルが付属するか、ケースへ収まる長さかも確認します。容量が足りていても、コネクターの種類が合わなければ組み立てを進められません。
まとめ
Core Ultra 5 235は基本65W、最大ターボ121Wです。電源容量はGPUの公称電力と他の部品を足して見積もり、GPUメーカーの推奨値と照合します。200W級GPUを仮定した例なら550W級、300W級なら650W級が検討の出発点です。ゲーム用途の組み合わせは235のゲーム性能も参照してください。
