Ryzen 7 5700のメモリはDDR4です。AMDの製品仕様には2チャネル、最大規定速度3200MT/sと記載されています。最初の構成を2枚組にすると、容量を両チャネルへ分けながら規定速度を利用しやすくなります。4枚挿し時の規定速度は、モジュールのランクに応じて下がります。
AMDが示す枚数別の速度
2チャネルでDDR4-3200を動かす場合、理論上のメモリ転送帯域は51.2GB/sです。これは64ビット幅のチャネルを2本使う計算値で、アプリが常にその量を読み書きするという実測ではありません。1枚だけの構成では片方のチャネルしか使わないため、同じDDR4-3200表記でも使える帯域の条件が変わります。
| 装着構成 | AMDの最大メモリ速度 |
|---|---|
| 2枚・各1ランク(2x1R) | DDR4-3200 |
| 2枚・各2ランク(2x2R) | DDR4-3200 |
| 4枚・各1ランク(4x1R) | DDR4-2933 |
| 4枚・各2ランク(4x2R) | DDR4-2667 |
この表は5700のAMD公式仕様に載る値です。「ランク」はメモリモジュール内部の構成で、表面にチップが片面だけか両面にあるかと常に一致する呼び方ではありません。販売ページに1R/2Rの記載がなければ、型番からメーカー仕様を調べます。混在したメモリを複数組使う場合の安定性は、この表だけでは確定できません。
たとえば16GBを目標にするなら8GB×2、32GBなら16GB×2が分かりやすい出発点です。両方ともメモリスロットを2本残せます。後で容量を増やして4枚にすると、AMDが示す規定速度はモジュールのランクに応じて2933または2667へ変わります。高い転送速度と将来の増設を両立したいなら、最初から必要容量の2枚組を選ぶ方が構成を単純にできます。
XMPと実際の動作速度
DDR4-3200のメモリでも、初期設定では低速の標準プロファイルで動く製品があります。モジュールには複数の速度設定が収録されています。マザーボードのBIOSでXMPまたはメーカー固有名のプロファイルを選び、保存後に表示速度を確認する流れです。
XMPで定めた速度や電圧は、CPUの公式対応表、マザーボードの設計、メモリ個体の組み合わせで実際の安定性が決まります。DDR4-3600など3200を超える設定はAMDの規定速度を超え、メモリとマザーボードを含む構成次第です。安定性に問題があれば速度を規定値へ戻す判断ができます。
ゲーム性能との関係
5700のL3キャッシュは16MBです。TechSpotの実測レビューでは、メモリ性能に敏感なSpider-Man RemasteredやStar Wars Jedi: Survivorで5700Xとの1%低フレームレートの差が大きく出ています。これは5700のメモリ速度を変える試験ではないため、DDR4-3200へ設定すれば5700Xへ追いつくという結論にはなりません。キャッシュ容量とメモリ設定を別々に見る必要があります。
2枚構成でデュアルチャネルを使うことは、1枚構成より帯域を確保しやすい基本的な構成です。高FPSのゲームを主眼に置くなら、まず2枚を正しいスロットへ挿し、速度が設定どおりか確認します。そのうえで5700のゲーム性能を参照してください。
容量を先に決める具体例
Web、文書作成、軽いゲームを中心に使うPCと、動画編集で高解像度素材を同時に開くPCでは必要なメモリ容量が違います。メモリ不足でストレージへの退避が頻繁に起こるPCでは、容量を増やす方が待ち時間に効きます。メモリに余裕があるPCでは、増量だけで速度はほとんど変わりません。現在の作業でのメモリ使用量を基準に16GBまたは32GBなどを選びます。
AMDの表では2x1Rと2x2Rの両方がDDR4-3200対応です。つまり、2枚組の範囲ではランク1とランク2の規定速度は同じです。4枚に増やした時に1Rで2933、2Rで2667という差が現れます。購入時に「あとで同じ型番を2枚足す」と考える場合、この公式条件を予算に織り込めます。最初から2枚で必要容量を満たせば、速度設定と相性確認の手間も減らせます。
メモリキットの「3200」は転送速度の表記で、BIOS上には実クロック1600MHzとして表示される場合があります。DDRはクロックの両エッジで転送します。3200MT/sと1600MHzは表記の単位が違い、同じ転送速度を示します。
マザーボードとの組み合わせ
B550マザーボードはDDR4対応ですが、スロット配置や推奨装着順は製品ごとに異なります。2枚組なら多くの製品でA2/B2が推奨されますが、手元の基板ではマニュアルの図を優先します。起動しない場合にはメモリ相性だけでなく、5700対応BIOSかどうかも切り分けます。B550とBIOSの確認方法にはASUS製品の実例を載せています。
結論として、5700でまず選ぶのは容量を満たすDDR4-3200の2枚組です。4枚構成の公式速度はランクによって下がります。容量が足りないPCではメモリ追加の効果が大きく、すでに十分な容量のPCでは、速度の数字だけを追うより用途とCPU・GPUの負荷を確認する方が判断しやすくなります。
