Ryzen 7 5700のAMD公式仕様にはPCIe 3.0と明記されています。B550マザーボードの箱に「PCIe 4.0対応」と書かれていても、5700から直接つながるレーンの上限はCPU側の3.0です。Gen4 NVMe SSDを取り付けても、CPU直結のスロットではGen3の速度に交渉されます。Gen4 SSDもGen3接続で使用できます。
PCIe世代と理論帯域
PCI-SIGのFAQはPCIe 3.0の1レーン当たりの片方向帯域を約1GB/sと案内しています。ここからx4では約4GB/s、x8では約8GB/sが目安になります。PCIe 4.0の同じレーン数はおおむね2倍です。SSDのM.2がx4、グラフィックボードがx8やx16という表記なら、世代とレーン数を掛け合わせて接続条件を読めます。
x4の正確な理論帯域は片方向で約3.94GB/sです。これは転送規格の上限です。実際の読み書き速度はSSDのコントローラー、NAND、温度、ファイルの大きさで変わります。
多くのM.2 NVMe SSDはx4接続です。たとえば「Gen4で順次読み出し7GB/s」とうたう製品を5700のCPU直結x4スロットで使う場合、規格の帯域上限が約3.94GB/sになるため、公称のGen4最大値は再現できません。OS起動やゲームのロード時間は、細かな読み書き、展開処理、ソフト側の待ち時間にも左右されます。
B550側の表示との関係
AMDのAM4チップセット説明はB550のPCIe 4.0接続を特徴として挙げています。これは対応するCPUと組み合わせたプラットフォームの機能です。CPUがPCIe 3.0の5700なら、マザーボードの4.0対応スロットがCPU側の能力を引き上げることはありません。
M.2スロットにはCPU直結とチップセット経由があり、各スロットの接続先とレーン数はマザーボード製品ごとに違います。チップセット経由のスロットはCPU直結と接続経路や帯域を共有する相手が異なります。搭載予定のマザーボードの配線図を製品マニュアルで見れば、どのM.2がCPU側か判別できます。B550のBIOSと互換性も先に確認できます。
GPUのレーン数との組み合わせ
5700のPCIe 3.0制限はSSDだけでなく、CPUに直結するGPUにも関係します。x16で接続するGPUと、物理スロットはx16でも電気的にはx8やx4のGPUでは、3.0接続時の帯域余裕が違います。帯域がゲームFPSへ与える影響はGPUのVRAM容量や使うゲーム、設定によって変化します。TechSpotの5700レビューもPCIe 4.0非対応を、GPU次第で問題になり得る差として扱っています。
マザーボードのスロットを物理的に挿せることと、何世代・何レーンで実際に通信するかは分けて考えます。GPUの仕様表でインターフェースを確認し、CPU側の世代とマザーボードのスロット配線を組み合わせると、想定帯域を計算できます。グラボそのものが必要な理由は内蔵GPUの記事で説明しています。
SSDの速度表記で混同しやすい点
SSDの広告にある「最大読込7,000MB/s」などは、特定のテスト環境での順次読み出し性能です。7,000MB/s対応SSDも、5700ではGen3接続の上限で動きます。逆に、Gen3対応で公称3,500MB/sのSSDを使う場合は、公称3,500MB/sはCPU側の約3,940MB/sの理論上限に収まります。製品の実力と接続規格の上限を分けて比較します。
ゲームのロードやアプリ起動では小さいファイルの読み込み、圧縮データの展開、CPU処理が混ざります。そのため公称順次速度の差が、そのまま待ち時間の差にはなりません。一方で、大容量の動画素材を何度もコピーする作業なら、連続転送速度の上限が効く場面があります。用途が後者ならGen4対応CPUへの交換が費用に見合うか、SSD容量や書き込み耐久性を優先するかを検討できます。
B550に複数のM.2スロットがある製品では、スロットによってCPU直結かチップセット経由かが違います。製品マニュアルの「M.2_1」「M.2_2」などの説明に接続先が書かれています。SSDを移してもCPUのPCIe世代は3.0のままなので、5700を使う限りGen4の最大速度を期待する構成にはなりません。
Gen4 SSDを購入する判断
Gen4 SSDがGen3 SSDより安い、容量や耐久性が優れる、といった理由で選ぶことはできます。5700で使う間のピーク接続速度はGen3に抑えられますが、将来PCIe 4.0対応CPUへ換装するなら同じSSDを活用できます。反対に5700を長く使い、連続転送速度だけを目的として高価なGen4上位機を買う場合、その最大速度分の費用は生かしにくくなります。
ストレージとGPUをともにGen4の性能で動かしたいなら、5700XのようなPCIe 4.0対応CPUが候補です。5700と5700Xの比較でゲーム性能も合わせて確認すると、CPU交換費用の判断ができます。
