Blenderで連続したCPUレンダリングを行うなら、AMD Ryzen Threadripper 9980Xの64コアは待ち時間の短縮につながります。Puget Systemsの実測ではBlender 4.4 Cyclesで9980Xが同世代32コアの9970Xを71%上回りました。ここではその数字が適用される作業と、GPUレンダリングを選ぶ場合の違いを整理します。
Blender 4.4のCPU実測
PugetはBlender 4.4.0のCPUレンダリングを、Threadripper 9980X、9970X、前世代7980Xなどで測りました。9980Xは7980Xより15%、9970Xより71%、旧3990Xより90%高い処理量でした。TechSpotのBlender Open Data測定でも7980X比13%増で、世代間の方向は一致しています。異なる媒体の絶対スコアを混ぜず、同じレビュー内の比較比率で見ます。
| 比較 | Pugetの9980X優位幅 | 意味 |
|---|---|---|
| 対7980X | 15% | 64コア同士の世代更新 |
| 対9970X | 71% | 64コア対32コア |
| 対3990X | 90% | 旧64コアからの更新 |
9980Xの仕様はAMD公式で64コア・128スレッド、TDP 350Wです。9970XもTDP 350Wながら32コア・64スレッド。CyclesのCPU処理は並列化しやすく、シーンのサンプル計算を多数のコアへ配れます。その結果、同じ世代の32対64コアで大きな差が出ています。
レンダリング時間への換算
性能スコアが71%高い場合、同じ仕事をこなす時間の目安は「旧時間÷1.71」です。9970Xで30分のCPUレンダリングなら、9980Xで約17分半という計算になります。60分なら約35分。これらは実測時間を置き換えた例で、Pugetがその時間のシーンを測定したわけではありません。シーン読み込み、合成、保存などが長い仕事では、全体の短縮率は小さくなります。
1日あたりにCPUレンダリングを10回繰り返す制作では、数分の差が積み重なります。最終フレームだけをたまに書き出す用途なら、64コア版の購入差額を回収できるほどの作業回数を確保しにくくなります。アニメーション制作ではフレーム数が多く、コマごとの短縮が全体の納品時間へ直結します。
CPUとGPUの選択
Blenderの公式マニュアルでは、CyclesがCPUまたは対応GPUを使ってレンダリングできると説明しています。レンダーデバイスをGPUに設定したジョブでは、CPUレンダリングの71%差をそのまま予測できません。GPUの種類、VRAM容量、シーンの大きさが主要な条件になります。
GPUレンダリングを中心に使う場合でも、CPUはシーンの準備、シミュレーション、他アプリとの同時作業に使います。どの工程が待ち時間の大半かを先に分けると、9980Xへ投資する意味が見えます。VRAMを超える巨大なシーンやCPU向きの処理では、システムメモリの大容量と64コアが魅力になります。Blender公式マニュアルもGPUのメモリ制約を説明しています。
メモリと冷却の組み合わせ
Pugetのテスト機はDDR5-6400のECC RDIMMを32GB×4、合計128GBで搭載し、360mm水冷を使いました。これらはBlenderのスコアと切り離せない構成条件です。メモリ容量が足りずデータをストレージへ逃がすと、CPUが待ち状態になります。4チャネルのRDIMMで必要なシーン容量を確保する設計が性能を生かします。
長時間のレンダリングではCPUの350W負荷が続きます。sTR5対応クーラーとケースの風量を先に決め、作業中に温度とクロックを確認できる構成にします。PCを追加してジョブを分散する場合は、1台の速さと総処理量、電源や設置場所の費用を別々に評価します。
導入の結論
9980XはBlenderのCPUレンダリングを毎日大量に処理する人に合います。前世代64コアからも約13〜15%の伸びがあり、同世代32コアからはPugetのテストで71%上回ります。GPUレンダリングが主体ならGPUとVRAMへの配分を先に決めます。CPU中心の構成を固めるなら、9980Xと9970Xの比較とRDIMM容量の選び方を続けて確認できます。
